歯科医院は今や「コンビニよりも数が多い」と言われるほど過密状態。丁寧な診療や確かな技術だけでは、なかなか患者さんに選ばれにくくなっています。通いやすさや診療内容はもちろんですが、「どんな医院なのか」「自分に合っているか」といった印象も、患者さんが歯科医院を選ぶうえで大きな判断材料になります。
こうした印象づくりに役立つのが“ブランディング”です。ブランディングは、医院の個性や強みを明確にし、患者さんに「この歯科医院に通いたい」と感じてもらうための戦略です。この記事では、歯科医院におけるブランディングの考え方や、具体的に取り組める方法についてご紹介していきます。
ブランディングというと、デザイン性の高いロゴやホームページを思い浮かべる方も多いかもしれません。たしかにそうした“見た目”も大切ですが、歯科医院におけるブランディングはそれだけではありません。
たとえば、「どんな診療に力を入れているのか」「どんな人に来てほしいと考えているのか」といった医院の方針や考え方を、患者さんにきちんと伝えること。これも立派なブランディングのひとつです。
医院の雰囲気やスタッフの対応、言葉づかい、ホームページやSNSでの情報発信など、日々の積み重ねが「この医院は信頼できそう」「安心して通えそう」といった印象につながります。
歯科医院の数は年々増え続けており、ある地域では駅から数分の範囲に複数の医院が並んでいるようなケースも珍しくありません。特に都市部では、通いやすさだけで勝負することが難しくなっています。
また、患者さんの医院選びの手段も変化しています。スマートフォンで簡単に口コミや比較情報を調べられる今、何かしら“選ぶ理由”がないと、他の医院に目移りされやすくなっています。
さらに、自費診療や専門的なケアのニーズが高まっている現在では、「この医院でお願いしたい」と思ってもらえる“信頼の理由”をつくることが必要不可欠です。
ブランディングは、その“選ばれる理由”を言語化・視覚化していくプロセスといえるでしょう。
ブランディングの第一歩は、院長自身が「どんな医院でありたいか」を改めて見つめ直し、それを言葉にすることから始まります。
たとえば、「患者さんにとって痛みの少ない治療を心がけている」「地域の子どもたちが歯医者に通うことを怖がらなくなるようにしたい」といった想いがあるなら、それを表現することが医院の個性になります。
こうした理念や価値観は、医院の運営に深く関わっているにもかかわらず、日々の業務の中で言葉として明確にする機会は意外と少ないものです。けれど、それを丁寧に言語化することで、医院のブランディングにおける“軸”が生まれます。
スタッフや外部の協力者にもその想いが共有されていれば、患者さんとの接点すべてに自然と一貫性がにじみ出るようになります。
ブランディングでは、伝えたい相手を具体的にイメージすることも欠かせません。誰にでも届くように…と考えてしまうと、かえって特徴のない医院に見えてしまうことがあります。
たとえば、「小児歯科に力を入れているなら、子育て中の親御さんが安心して子どもを連れてこられる医院にしたい」「ホワイトニングや審美治療を軸にしたいなら、美意識の高い社会人女性に響くようにしたい」といったように、ターゲットをある程度絞ることで、伝え方にも方向性が出てきます。
もちろん、実際の患者層は幅広くても問題ありません。ただ、“特にどんな方に選ばれたいか”という視点を持つことが、医院のイメージをよりはっきりと伝える力になります。
最後に大切なのは、医院のブランディングが院内外で一貫して感じられるように整えることです。どれだけ理念を明文化しても、それがホームページの言葉と院内掲示の雰囲気とでちぐはぐになっていたら、患者さんにとっては「伝わりにくい医院」になってしまいます。
受付や診療時の対応、スタッフの表情、使用する言葉のトーン、パンフレットのレイアウト、院内音楽や香りまで含めて、すべてが医院の“空気”を形づくります。さらに、WebサイトやSNSなどオンライン上の情報発信も、そこから切り離せません。
統一感のある表現は、患者さんにとって安心感や信頼感につながります。「この医院って、なんとなく感じがいい」と思ってもらえる背景には、こうした見えない一貫性があるのです。
医院の強みや特徴が伝わるホームページは、ブランディングの要ともいえる存在です。来院を検討している方の多くが、まずは医院のホームページを見て、雰囲気や診療内容を確認しています。
たとえば、トップページを開いたときに「どんな治療に力を入れているのか」「医院の方針や雰囲気がどうか」がすぐに伝わる構成になっていると、それだけで安心感が生まれます。
また、写真の選び方や文章のトーンも重要です。「清潔感のある空間でリラックスできそう」「子どもでも通いやすそう」といった印象は、ホームページの見せ方次第で大きく変わります。
ホワイトニングやインプラント、矯正歯科など、医院で力を入れている診療がある場合には、「特定の診療内容に特化した専門サイト」を設けるのも効果的です。
専門サイトを設けることで、「この医院はこの治療に詳しい」という印象を自然に伝えることができます。症例写真や治療の流れ、よくある質問などを丁寧に掲載すれば、専門性や誠実さも伝わりやすくなります。
初めて行く医院に対して、「どんな先生なのか」「スタッフは話しやすそうか」といった不安を感じる方は少なくありません。そのため、医師やスタッフの紹介ページを丁寧につくっておくこともブランディングにつながります。
たとえば、ただの経歴だけでなく、趣味や診療への思いなどを簡単に紹介するだけでも、ぐっと親しみがわきます。写真の雰囲気も大切です。やさしい笑顔や自然な表情があると、それだけで“通いやすそう”という印象になります。
Instagramやブログ、LINE公式アカウントなどを使って、医院の雰囲気を発信するのもひとつの方法です。
「今日はこんな季節の飾りつけをしました」「受付スタッフの誕生日をお祝いしました」といった日常の投稿でも、医院の雰囲気や人柄が伝わります。歯に関する豆知識や予防の情報を発信すれば、「まじめで丁寧な医院」という印象にもつながります。
SNSはすぐに始められる一方で、継続が難しいと感じる方も多いかもしれません。無理のない範囲で、医院の“らしさ”が伝わる内容を少しずつ発信していくのがおすすめです。
ホームページや院内のデザインを一新すると、たしかに見た目の印象は良くなります。けれど、その背景にある医院の想いや価値観が十分に表現されていないと、「整ってはいるけれど印象に残らない」という状態になりやすくなります。
ブランディングは外側を整えることがゴールではなく、医院の中身と外から見える姿を一致させていく作業です。単に“おしゃれ”にするのではなく、「この医院らしさは何か」をベースに、表現や構成を考えていく必要があります。
ブランディングの方向性が院長の中だけにとどまっていると、患者さんと接する現場との間にギャップが生まれます。スタッフがそれぞれのやり方で対応していたり、雰囲気や言葉遣いに一貫性がなかったりすると、せっかくの取り組みが患者さんに伝わりにくくなってしまいます。
医院の方針や大切にしている考え方は、スタッフと一緒に確認しながら少しずつ共有していくことが大切です。日々の会話やちょっとした業務の中で、「うちはこういう想いでやっている」と自然に伝えていける土壌をつくっていきましょう。
SNSや院内掲示、パンフレットなど、情報発信の手段が増えるほど、「何をどう伝えるか」の軸を持つことが重要になります。方向性が曖昧なまま投稿や発信を繰り返すと、表現にばらつきが出て、医院としての印象が伝わりにくくなってしまうことも…。
あらかじめ、どんな患者さんにどんな姿を届けたいのかを整理し、トーンや表現方法をそろえることで、伝わり方にまとまりが出てきます。ひとつひとつは小さな発信でも、積み重ねていくうちに“医院らしさ”を形づくっていきます。
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※1「乗り換えなどの主要駅は出口ごとのエリア、矯正歯科専門医院様や専門サイトの際はターゲットによるため、弊社にて調査のうえ判断させていただきます。」との記載があります。参照元:イグザクト https://www.ex-act.jp/