歯科医院の集客というとオンライン施策や看板広告などに目を向けられがちですが、チラシ広告も有効な集客方法の1つです。歯科医院がチラシ広告を活用するメリットや注意点、チラシ広告を使った集客のコツなどを紹介します。
特定のエリアに配布するチラシ広告は、歯科医院のようにターゲットとなる商圏が比較的限定されるビジネスとの相性が良い宣伝方法です。配布エリアを徒歩や自転車で通院できる範囲に絞ることで、狙いたいターゲット層に自院の存在をアピールでき、問い合わせや来院につながる効果を期待できます。
また、Web広告に比べてコストを抑えられるのもチラシ広告を活用するメリットの1つです。
インターネットの普及によりスマートフォンやパソコンを使った情報収集が一般的になっている一方で、チラシ広告を含む紙媒体も未だに情報源として活用されています。その理由が、パソコンやスマートフォンの操作を苦手とするシニア世代の存在です。
Web広告が取りこぼしやすいシニア世代にもアプローチできるというのが、チラシ広告の強み。さらにWeb広告と組み合わせることで、より幅広い層に情報を届けることができるでしょう。少子高齢化社会での生き残りをかけてシニア世代も集客したい歯科医院にとって、チラシ広告は有効な宣伝方法と言えます。
ネット集客は多くの情報をユーザーに届けられるものの、すべての情報を見るにはスクロールが必要になります。すべてのユーザーがスクロールして情報を確認してくれるとは限らないため、アプローチしたい情報が届かない可能性もあり。一方のチラシ広告は視覚的な訴求に強い媒体で、パッと見ただけで内容を把握しやすいのが特徴です。
ただし、一枚のチラシ広告に掲載できる情報には限界があるため、アプローチしたい内容を視覚的に訴求するためのレイアウトが求められます。
チラシ配布の定番的な手法となるのが、新聞の折り込み広告です。新聞購読率の高いシニア層へのアプローチに有効で、配布の手間が省けるというメリットもあります。その一方で気になるのが、新聞の購読率の低さ。特に20代~40代においては若い世代の新聞離れと言われるほど、購読率の低さが顕著に表れています。
そのため、20代~40代へのアプローチとして別の配布方法も検討する必要があるでしょう。また、新聞折り込みとして配布するには、新聞社の審査に通らないといけません。利用したい新聞社にデザインやレイアウト、配布部数などを事前に確認しておくことをおすすめします。
住宅の郵便受けにチラシを投函する集客方法で、新聞折り込みに比べて費用を安く抑えられるメリットがあります。スタッフがポスティング作業を行えば、費用をより抑えることが可能。また、ポスティングは新聞折り込みに比べて閲覧率が低い傾向にあるものの、新聞を購読していない世帯へのアプローチとしても有効です。
ポスティングと似た方法として、開業地から500m圏内の家に対しては院長またはスタッフ自身が訪問し、挨拶しながら手渡すという方法もあり。時間と労力はかかるものの、競合他院が積極的に行わない集客方法をとることで印象に残る可能性を期待できます。
駅近くに歯科医院を開業する場合、最寄り駅で配布するという方法も効果的です。広告効果をさらに高めるのであれば、ポケットティッシュや歯ブラシなどのノベルティと一緒に配布すると良いでしょう。業者を利用せずにスタッフが配布すれば、ポスティング同様に費用を抑えられるメリットもあります。
駅や公道でチラシを配布する場合の注意点として、管轄の鉄道会社や警察の許可が必要です。
自院の近くに整形外科を設けている医療機関がある場合、その医療機関にチラシを置いてもらうという方法もあります。なぜ整形外科なのかというと、整形外科では人工関節の手術を受ける患者さんに対し、手術前に歯科の受診を勧めるケースが多いからです。
歯科の受診を勧める理由としては、歯周病などのトラブルを抱えていると口の中の菌が人工関節部分に到達し、細菌感染を起こすリスクがあるため。整形外科を設けている医療機関と連携することができれば、チラシを置いてもらうだけでなく、手術を控えている患者さんを紹介してもらえる可能性もあります。
チラシを作成する際、どんな内容・デザインでもいいわけではありません。分析せずに作ってしてしまえば、費用が無駄になってしまう可能性もあります。せっかく作るのであれば自院を効果的にアピールできて、集客につながるチラシにしたいものです。ここではチラシを作るポイントを紹介します。
チラシを作成するにあたって、自院のターゲットを見極めることが大切です。ターゲット層を絞って、デザインや内容をターゲットに合わせて決めることで、効果的なチラシを作ることができます。オフィス街に位置する歯科医院であれば、ターゲットはビジネスパーソン。洗練された雰囲気のチラシにするといいでしょう。これまでに来院した患者のデータから、どの層が多いのか分析するとターゲットを絞りやすくなります。また住んでいる場所まで限定できれば、チラシの配布場所に反映できて効率的です。
チラシを集客アップにつなげるためには、治療内容や取り組みなどを明確に盛り込みます。歯科医院のチラシを見て、どのような治療をしているのか、どのような強みがあるのか分からなければ、その歯科医院に通ってみたいとは思わないためです。「完全個室」「患者へ寄り添うことをモットーにしている」「アットホームな空間でカウンセリングを重視」など強みが分かるフレーズあると、他院との差別化につながります。
小児歯科にも対応しているなら、キャラクターやイラストを載せたり、ひらがなを多く使ったりするなど、子どもを意識したチラシのデザインにするのも効果的です。歯科医院の通院に頭を悩ませる親も多いため「子どもに優しく接してくれそう」「子どもの扱いが上手そうだ」と安心感を与えることができれば集客につながります。またチラシは必ずしも大人だけが見るものではありません。子どもがチラシを目にしたときに「かわいい」と思ってもらえれば、親に見せる可能性もあります。
歯科医院でチラシを含めた広告を打ち出す場合、医療広告ガイドラインを遵守しないといけません。医療広告ガイドラインとは、厚生労働省が出している医療広告の指導方針のこと。広告や医療サービスに関する消費者トラブルが増加していることを受けて制定されたもので、以下の広告を禁止しています。
医療広告ガイドラインに違反した場合、チラシの配布中止や行政処分などが行なわれます。命令に従わないと6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金が課されます。また、チラシの内容が悪質と判断されるとクリニックの開設許可が取り消される恐れもあるため、チラシを作成する際は医療広告ガイドラインに違反しないように気をつけましょう。
クリニックのチラシにスタッフの写真を使用することはできますが、本人に許可を必ず得てから掲載するようにしましょう。本人の許可を得ずにチラシに掲載した場合、被写体の権利侵害にあたり、トラブルに発展する可能性があります。ちなみに写真の著作権については、自身が撮影した写真であれば著作権侵害には該当しません。
自院のホームページがある場合、チラシにQRコードを設置することでホームページへ誘導することができます。
チラシとホームページを連携させるメリットとしては、チラシに掲載できる情報には限界があるため、ホームページに誘導することでより多くの情報を提示できる点。また、QRコードからホームページにすぐアクセスできるので利便性アップにつながるほか、予約対応しているホームページなら集客への効果をより期待できます。
ホームページがない開業前のクリニックであれば、チラシの作成とあわせてホームページの立ち上げも検討してみましょう。ホームページはあるもののデザインが古かったり、集客に結びついていなかったりする場合は、リニューアルの検討をおすすめします。
チラシを自分でデザイン・印刷する場合は、チラシ作成の費用はかかりません。ただし、医療広告ガイドラインに違反しないように注意しながら、視覚的に訴求できるチラシを作成するには、広告に関する知識が求められます。
業者にチラシ作成を依頼する場合は、デザインやサイズによって費用が異なるため、複数の業者に見積もりをとって比較検討しましょう。
チラシ配布の費用についても、チラシ作成と同様に自分でポスティングしたり街頭で配ったりするのであれば、費用はかかりません。ただし、配布に時間をとられて診療に影響が出てしまっては本末転倒で、さらに自力でのポスティングは対応できる範囲も限られます。
そのため、自分やスタッフで配布するのは開業前だけにし、開業後の配布は業者を活用するのが良いでしょう。
チラシ広告は、特定エリアに絞ってクリニックを宣伝したい場合に適した方法です。インターネットを普段使用しないシニア世代にも自院の存在をアピールできるため、シニア世代の集客に力を入れたいクリニックにおすすめ。また、チラシ広告なら自分で作成・配布もできるので、コストを抑えられるのも魅力です。
ただ、自分やスタッフで作成・配布するのはデメリットもあるため、自分たちでどこまでやるのかを事前に検討しておきましょう。また、集客効果をより高めるためにも、ホームページの開設またはリニューアルの検討をおすすめします。
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