「もっと患者さんに良い治療を受けてもらいたい」「医院の自費率を上げたい」そう思っていても、実際にどのように提案すればいいか分からずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。なかには、良かれと思って自費診療を勧めたら患者さんに嫌がられてしまった、という経験を持つ方もいるかもしれません。
この記事では、自費診療に前向きに取り組みたいと考えている歯科医院に向けて、自費率アップのためにできることや注意したいポイントについてまとめました。
自費診療は、収益性の高さだけでなく、医院の経営や診療体制全体に好循環をもたらす可能性があります。
保険診療は診療報酬に上限があり、どれだけ丁寧に治療をしても収益に反映されにくい側面があります。一方、自費診療では治療内容や患者のニーズに応じた価格設定が可能で、限られた時間のなかでもしっかりと利益を確保できます。
また、自費診療の充実は患者満足度の向上にもつながります。さらに、質の高い治療を通じて、スタッフが専門的なスキルを発揮できる環境が整えば、働きがいの向上や離職防止にもつながるでしょう。
自費診療の提案は、患者との信頼関係があってこそ受け入れてもらえるものです。保険診療でも丁寧な診療と説明を重ねることで、日頃から信頼を積み上げていくことが大切です。
診療のなかで自然な流れで自費診療の選択肢を提示できるようになると、押し売りのような印象を与えずに話を進められます。
患者に自費診療を勧める際は、「どのような状態で、どんな選択肢があり、それぞれにどんな特徴があるか」を比較しながら説明しましょう。「◯◯さんの状態では、見た目を重視するならこちら、耐久性を重視するならこちらがおすすめです」といったように、判断基準を明確にした提案があると、患者も安心して選ぶことができます。
一方的にメリットを並べるのではなく、保険診療と自費診療の違いをきちんと伝えたうえで、最終的な判断は患者本人に委ねる姿勢が信頼につながります。
どのような患者層が自費診療を選ぶ傾向にあるのかを把握することも、自費率アップの施策に欠かせません。年齢、性別、職業、通院の動機、治療に対する価値観などを分析することで、「誰に、どの治療を、どのように伝えるか」という戦略が立てやすくなります。
既存患者の傾向を参考にすることで、新たに打ち出すメニューやホームページのコンテンツも、より的確な訴求が可能になるでしょう。
医院の強みや治療の魅力を伝えるうえで、ホームページの存在は非常に大きな役割を果たします。治療の内容や特徴、症例の紹介、費用や期間の目安など、患者が気になる情報をわかりやすく整理して掲載することで、医院の方針や専門性が伝わりやすくなります。
また、信頼感を高めるうえでは、院内設備の紹介や、院長・スタッフの写真、診療方針などの情報も重要です。これらをただ並べるのではなく、「どんな想いで治療に向き合っているか」「どのようなサポート体制があるのか」といったストーリー性も含めて伝えることで、より共感を得やすくなります。
逆に、情報が古い・スマホで見づらい・伝えたいことが整理されていないホームページでは、医院の魅力を十分に伝えることができません。「ホームページを見てもらえていない気がする」「集客につながっていない」という場合は、ホームページのリニューアルを検討してみましょう。
利益率をあげるための施策として自費診療に力を入れていきたいのであれば、特定の自費診療に特化した専門のホームページをつくるのも効果的です。
治療名で検索する患者はニーズが明確で、真剣に比較・検討している傾向があります。そうした人に向けて、症例や設備、治療の流れ、費用などを詳しく紹介できる専門サイトをつくることで、治療に力を入れている印象を与えられます。クリニックの信頼性を高めやすく、集患において非常に有利です。
治療に関する詳細なQ&Aや、症例写真、料金の目安などを丁寧にまとめることで、問い合わせの前段階で患者の不安や疑問を解消できるというメリットもあります。
また、競合となる歯科医院でも、診療ごとの専門サイトを持っているケースはまだ多くありません。そのため、SEO面でも成果が出やすく、地域内での差別化にもつながります。
提案をスムーズにするために、パンフレットや比較資料をあらかじめ用意しておくのも有効です。説明の補助になるだけでなく、患者が持ち帰って後からじっくり検討できる点でも役立ちます。
待合室に設置するだけでなく、診療中に手渡しすることで、より自然な形で情報を届けられます。また、ホームページ上でも正確な情報を掲載することで、来院前にある程度の理解を得られる環境を整えることができます。
自費診療の導入や拡大にあたっては、患者への提案の仕方に注意が必要です。
高額な治療を強く勧めすぎると、たとえ意図が善意であっても、「無理に売り込まれた」と感じる患者が出てきてしまい、信頼を損なうことにつながります。
大切なのは、患者さん自身が納得して選べるように導くことです。自費診療の選択肢を提示する際は、あくまで患者の視点に立ち、「この治療には、見た目や耐久性といったこういったメリットがありますよ」といった伝え方で、あくまで選択肢のひとつとして紹介する姿勢を心がけましょう。また、費用や期間、治療後の注意点についても、誤解が生じないよう丁寧に説明することも大切です。
「押し売りと思われたくない」という気持ちから、自費診療の話を切り出せずに終わってしまう場面も少なくありません。しかし、その結果として患者さんが後になって「そんな治療もあったんですね、早く知りたかったです」と残念に思ってしまうケースもあります。
大切なのは、『押しつけないけれど、ちゃんと伝える』というバランスです。「こういった治療もありますが、気になるようでしたらご説明しますね」といった自然な伝え方で、選択肢をきちんとお知らせしていくことが信頼につながります。
治療にかかる費用やリスク、治療後の注意点などがしっかり伝わっていないまま進めてしまうと、「そんな話は聞いてなかった」といった誤解が生まれ、信頼関係にも影響してしまいます。
とくに自費診療では費用も時間もかかることが多いため、患者さんが安心して治療を受けられるように、資料や図などを使って丁寧に説明を重ねましょう。必要に応じてカウンセリングの機会を分けて設けるなどの配慮も重要です。
治療が終わったあとこそ、患者さんとの信頼関係を深めるチャンスでもあります。たとえば定期的なチェックの案内や、口腔ケア用品のアドバイスなど、小さなフォローを重ねることで「この医院に通っていて良かった」と感じてもらいやすくなります。
また、治療後のトラブルを未然に防ぐ意味でも、アフターケアの案内はとても重要です。こうした対応が、次の自費治療の相談やご紹介につながるケースも少なくありません。
ホームページやチラシで自費診療を紹介する際には、「患者さんにとって分かりやすく、かつ正確であること」が第一です。一方で、医療広告には守るべきルールがあり、「体験談の掲載」「断定的な表現(必ず治る・地域No.1など)」は制限されています。
知らずに違反してしまうと、行政指導の対象になってしまうこともありますので、不安な場合は制作会社や専門家と相談しながら、ガイドラインに沿った情報発信を心がけましょう。
患者にとって最善の選択肢を提案するなかで、自費診療という選択をきちんと伝えられるかどうかは、医院の信頼性にも関わる大切なポイントです。
伝え方やタイミングを工夫することで、無理なく自然に自費診療の魅力を伝えることができれば、患者満足度も上がり、結果として自費率の向上にもつながっていきます。
そのなかで、ホームページの見直しや専門サイトの活用は、来院前から患者との関係づくりを始められるという点で大きな武器になります。
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※1「乗り換えなどの主要駅は出口ごとのエリア、矯正歯科専門医院様や専門サイトの際はターゲットによるため、弊社にて調査のうえ判断させていただきます。」との記載があります。参照元:イグザクト https://www.ex-act.jp/