歯科の利益率はどれくらい？

歯科医院の経営を安定させるためには、売上だけでなく、利益率にも注目することが大切です。この記事では、歯科医院の平均的な利益率や、利益率を上げる方法について解説します。

歯科の平均的な利益率は25％前後

保険診療を中心とした歯科医院の平均的な利益率は25％前後と言われています。一方、インプラントやホワイトニングなど自由診療を取り入れている歯科医院では、平均的な利益率が45％にもなります。

自由診療の利益率が高い理由は、より高度な医療を提供し、それに見合った金額を請求できるためです。ただし、複雑な治療を行うためには、高価な医療材料や優秀な人材が必要となり、その分、材料費や人件費が増える点には注意が必要です。

歯科医院の利益率を上げる方法

利益率を上げる方法には、患者数を増やす、自費診療率やリコール率を高める、不要な経費を削減するなどのアプローチがあります。ここでは、歯科医院が押さえておきたいポイントを解説します。

集客・集患数を増やす

患者が来院しなければ売上は増えません。利益率を上げるための最初のステップとして、集患を強化することが重要です。

集患数を効率よく増やすには、チラシなどの紙媒体だけでなく、ホームページやSNSを活用したWeb広告を取り入れるのが効果的です。特に、インターネットで情報収集をする患者が増えている現在、ホームページの制作は集患対策の必須要素と言えます。

Web広告の重要性は理解していても、診療や経営に忙しくて手が回らないという歯科医院も多いでしょう。その場合は、歯科医院のホームページ制作に特化したプロに相談するのも一つの手です。

集客・集患に悩んでいるなら
ホームページを見直してみよう

すでにホームページを制作している歯科医院のなかには、「ホームページが上位に表示されない」「ホームページが見られていない」などWebマーケティング施策の成果を感じられていないところもあるでしょう。ホームページは制作するだけで成果につながるわけではないため、集客・集患に伸び悩んでいる場合はホームページの見直しやリニューアルの検討をおすすめします。

患者の知りたい情報が掲載されているか、自院の強みや魅力をアピールできる内容になっているか、問い合わせにつながる動線になっているかなどを見直しながら、集客・集患に取り組みましょう。

自費診療率を上げる

利益率を高めるカギとなるのが「自費診療」です。

保険診療は利益が出にくい仕組みになっているため、経営の安定化には自費診療率を上げることが重要です。ただし、無理に自費診療を押しつけると、患者からの信頼を損なう可能性があります。

自費診療のメリット・デメリットをわかりやすく丁寧に伝えたうえで、患者に選んでもらうようにしましょう。自費診療のメリットを理解してもらうには、スタッフ教育も大切です。自費診療に関する知識の取得と各種資料の準備などを徹底し、スムーズに質問対応や提案ができる体制を整えることも自費率の向上に貢献します。

特定の自費診療に特化した
専門ホームページをつくるのもおすすめ

利益率をあげるための施策として自費診療に力を入れていきたいのであれば、特定の自費診療に特化した専門のホームページをつくるという方法もあります。

専門のホームページをつくるメリットは、治療別に特化したホームページを持っている歯科医院はまだ少なく、SEO対策で成果が出やすいため。また、自費診療は保険診療に比べて治療費が高額で、より高い専門性も求められるため、多くの患者がクリニック選びで慎重になりがちです。

専門のホームページがあれば治療に力を入れている印象を与えられ、こだわりや実績、設備など多くの情報を掲載することでクリニックの信頼性を高めやすいというメリットもあります。

リコール率を上げる

新患の増加は重要ですが、安定した経営にはリコール率を高めることも欠かせません。少子高齢化で新患の獲得が今後ますます難しくなる中、既存の患者が再来院するリコール率を上げることが、経営の安定化に貢献します。

リコール率をあげる方法としては、「メールやLINE、はがきなどを活用して再来院を促す」「スタッフの対応や患者との良好なコミュニケーションなどに力を入れて信頼度・満足度を高める」「定期検診の重要性について理解してもらう」などがあげられます。

不要な経費を削減する

歯科医院で発生する経費には、人件費、家賃、材料費、光熱費などがあります。経費の見直しをする際は、まず固定費の削減に取り組むと効果的です。

ただし、安易に人件費を削減するとスタッフのモチベーション低下を招く恐れがあるため、慎重に判断する必要があります。業界水準と比較しながら、どの経費を削減できるか検討しましょう。

節税対策を行う

集患の成果が出て利益があがったら、次は節税対策を行う必要があります。

ただ、歯科医院の節税対策は、税理士に対応してもらうのが基本です。節税対策の例としては、開業したばかりで赤字または利益が少ない段階であれば、まずは経理体制を整えます。それから、次期以降に備えて専従者給与の設定や開業費の計上を行うなど節税対策に取り組むにあたっての下準備を行います。

利益がコンスタントに見込める段階であれば専従者給与や開業費、繰越欠損金を利用しながら、小規模企業救済をはじめとする所得控除を取り入れましょう。利益が大きくなって節税が難しくなってきたら、医療法人化や規模の拡大、分院などを検討していきます。

売上目標をスタッフに共有する

1日の売上目標をスタッフに共有することで、目標達成への意識が高まり、チーム全体のモチベーションアップにつながります。達成できなかった場合でも、改善策を考えながらPDCAサイクルを回していくことが大切です。

また、悪天候や予定変更などで患者からのキャンセルが相次いだ場合、1人ひとりの患者にかける時間を増やすといった来院数が少ないことを逆手にとることも大切です。「時間をかけてわかりやすく説明してもらえた」「丁寧に治療をしてもらえた」などの満足感につながり、リピート率の向上や口コミ効果による集客を期待できます。

中長期的な視点での投資を検討する

利益率を上げるためには、必要な投資を惜しまないことも重要です。たとえば、電子カルテや予約システムの導入は初期費用がかかるものの、長期的に見ると生産性を高める効果があります。

また、技術研修やホスピタリティ研修といったスタッフ教育に力を入れることで患者の満足度が向上し、リピート率や新患の増加による売上・利益アップを期待できます。

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