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歯科のリコール率とは?

歯科医院に来院した患者さんに定期的な健診を促す「リコール」。歯科医院へのニーズが治療から予防へ高まっていることから、このリコール率向上こそが経営基盤を安定させる戦略となってきています。

こちらのページではリコール率の重要性と向上させる具体的な対策を紹介していきます。

歯科におけるリコールの重要性

新規患者の獲得は歯科医院経営の大切な要素のひとつですが、リコール率の向上を試みないまま、新患獲得への広告費をかけ続ける対策は見直した方がいいでしょう。

現在日本は高齢化と出生率低下で人口減少が加速しており、今後は患者が減って新患獲得が難しくなる一方です。これからの経営戦略は現患者さんと獲得した新患のリコール率を高めることが重要です。定期検診を受けてくれる患者さんが増えれば、安定した経営基盤を築くことができるからです。

またリコールの患者さんはメンテナンスや予防治療が中心になるため、材料費や技工代などのコストや人件費の削減、診療時間の短縮も叶うでしょう。一人あたりの広告費も少額なため、コスト削減にもつながります。

歯科のリコールは何か月?

一般的に歯科医師が患者さんへ伝えるリコールは6カ月というケースが多いようです。しかしリコール期間を思い切って「3カ月」と伝えて成功しているドクターもいます。

「3カ月のリコール」は患者さんから面倒がられてしまうのでは?という心配の声もありますが、3カ月という期間に根拠がある場合は、その内容について説明しましょう。例えば6カ月おきの歯石削除の場合、診療が1日で終わらず2回~3回の通院に及ぶことがあります。しかし3カ月おきであれば歯石の量も固さもそれほどでないため1日で終了でき、トータルの通院数や負担は少なくすむ可能性が高くなるという点です。

また年2回より年4回の通院の方が歯科医師やスタッフとの距離感が縮まり、患者さんが親しみをもって通える(ストレスなしに通院できる)場所になりえます。そのためには医師やスタッフの接客スキルを高める必要もありますが、自ら抵抗なく予約を入れてくれるようになればリコールは3カ月に安定させることが可能です。

歯科アポイントのコツ

治療後リコールに導くためにどのように患者さんに案内すればよいのでしょうか?こちらではアポイントを取ってもらう際の工夫を紹介します。

治療後1回目のリコールは1ヵ月後

定期的に歯科医院へ通院する習慣がついていない患者さんも多いと思います。そのため歯科治療を行った患者さんに対しては、治療経過を確認するためにもアポイントを先延ばしにせず1カ月後に予約を入れてもらいましょう。

1ヵ月後の予定を先に入れてもらうことでキャンセルや変更率が低くなり、通院してもらいやすくなります。

予約時間に治療ができるよう時間厳守

忙しい時間を割いてリコールに来院された患者さんを待たせないよう、医師は予約時間内の治療を心がけてください。また治療時間をあらかじめ伝えておくことも大切です。

「毎回待たされる」「治療終了時間が読めない」といった歯科医院では、リコール目的の患者さんが遠のく可能性が高まります。待ち時間があっても治してもらいたいという患者さんはともかく、メンテナンスだけのために待たされる時間は比較的ストレスになるからです。

患者さんに寄り添うアポイント

患者さんの状況や希望を考慮したアポイントを取ることも大切です。歯科医院の立場では3カ月後の予約をすすめたくても、患者さんによっては都合がつかない場合もあります。会社や家庭の都合、1度に掛かる時間が長くなっても1回の来院で終わらせたい人、数回に分けても問題ない方など事情はさまざまです。

リコールをすすめるのであれば、歯科医院側の理想だけを患者さんに押し付けず、患者さんが続けやすい環境を作ることが大切。患者さんの希望を汲み取ってアポイントを取ることで「患者さんに寄り添ってくれる通院しやすい歯科医院」と認識され、リコール率向上につながるでしょう。

STP(サポーティブペリオドンタルセラピー)とは

SPTとは歯周病安定期治療のことです。歯周病が安定した病状になった後も、歯周組織を維持するために定期的な「治療」を行う必要があります。一方メンテナンスは治癒した歯周組織を長期間維持するための「健康管理」と定義されています。

SPTは健康管理ではなく治療の一環です。患者さんの歯周組織の状態から咬合調整やポケット内洗浄、スケーリング、ルートプレ―ニングなどを行います。

SPTは少し前までメンテナンスの一種と捉えられていました。しかし現在は治療という観点から歯科医院でのプロケアが必要となり、患者さんに理解してもらって定期的に通院してもらう必要があります。そのため、リコール率の向上が重要になってくるのです。

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